環境化学プロセス工学科

教授

二井 晋

超音波で香りやナノ粒子を取り出し、思いのままの結晶をつくる

牛乳に超音波を当てるとバターが取り出され、お酒も超音波で変身します

 火がついているわけではないのに、「加湿器」から出てくる湯気が見られ、しかも触っても冷たいのを不思議だと感じたことはありませんか? 超音波を当てることで、水を温めずに「霧」に変化させるのが加湿器のメカニズムです。水に限らず液体に超音波を作用させると、特定の成分を分離させたり、霧にして「飛ばす」ことで、加熱せずに香りを濃くしたりできます。日本酒を超音波で霧にすると、焼酎とアルコール度は同じでも味と香りが全く異なる新しいお酒をつくることができます。また、ナノテクノロジー分野の素材をつくる際に、同じスケールのナノ粒子だけを集めるのは大変なのですが、超音波を活用すれば、特定サイズのナノ粒子だけを容易に選別できるようになります。

超音波でつくる霧

超音波をあてて結晶を思いのままにつくる

超音波をあてて作ったグリシン結晶

 医薬品をつくる時、純度を高めるために、水に溶かした後で冷やして結晶化させます。ところが時々、冷えているのに結晶化が始まらないトラブルがあります。そんな時には超音波を一瞬当てればすぐ解決、無事に結晶ができ、製造を続けられます。また、できる結晶の形や大きさをそろえたい、という思いに応えるのも超音波です。超音波をうまくあてることで、決まったかたちで大きさのそろった結晶を思いのままに得られます。このように、超音波はさまざまな化学の分野に応用可能なのです。

Profile

環境化学プロセス工学科

教授

二井 晋

1994年名古屋大学大学院工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了。工学博士(名古屋大学)。名古屋大学工学部助手を経て、2005年名古屋大学工学部准教授、2015年より現職。2016年、リサイクル技術開発本多賞受賞。主な論文に「高周波超音波照射によるグリシン結晶の成長とサイズ制御」(英文)など多数。

学生(受験生)へのメッセージ

新しいことが好きで、新しいことにチャレンジしてみたい人をお待ちしています。これまでに誰もやらなかったことや考えたこともないことを自分でやってみたい、そんな気持ちが大切です。また、化学工学という、工学として、ものづくりに役立つ化学を学びたい、そんな人も歓迎しますよ。

他の研究者

一覧へもどる