化学生命・化学工学専攻(環境化学プロセス工学科)

准教授

武井 孝行

未来の医療に必要な移植用臓器を作るテクノロジー

人体の毛細血管網を再現するテクノロジー

病気や事故により臓器の機能が著しく低下した場合、その治療法は臓器移植しかありません。臓器移植を実施するためには臓器を提供する人(ドナー)が必要ですが、日本を含め多くの国ではドナー数が少なく、ほとんどの患者はこの治療法を受けることができません。もし、臓器を作り出すことができれば、ドナーが必要なくなり、すべての患者が臓器移植を受けることができるようになります。
臓器の中の細胞は、そのすぐ側をとおっている毛細血管から酸素や栄養の供給を受けることで生きています。もし、毛細血管がなければ臓器中の細胞は1時間と生きながらえることができず死んでしまいます。つまり、臓器を作るためには毛細血管網を再現できるテクノロジーが必要なのですが、その困難さから未だ開発されていません。独創的なテクノロジーにより毛細血管網を作ること、さらにはそれを利用して臓器を作ることにチャレンジしています。

再現した毛細血管網(赤色は血液)

細胞がその細胞らしさを発揮できるヒドロゲルを作るテクノロジー

凍らせた後、解凍するだけで作ることができる体に安全なゲル

毛細血管網を再現するだけでは臓器を作ることはできません。再現した毛細血管網の周囲で細胞を増やす必要があります。ヒトの体の60%は水でできており、骨などを除くと私達の体は柔軟なヒドロゲルであると言えます。つまり、ヒドロゲルは臓器を作る際に必要な細胞を増やすための“場”として適しています。一方、これまでのヒドロゲルは、細胞に対して毒性がある化学物質を含んでいるものが多く、細胞を増やすための場として好ましくありませんでした。そこで、毒性の高い化学物質を使用しなくてもヒドロゲルを作ることができる新たなテクノロジーの開発を行っています。

Profile

化学生命・化学工学専攻(環境化学プロセス工学科)

准教授

武井 孝行

1980年生まれ。九州大学工学部物質化学工学科卒業、同大学大学院工学府物質プロセス工学専攻博士課程修了、博士(工学)。九州大学大学院工学研究院化学工学部門助教を経て2012年より現職。授業は物理化学、移動現象論などを担当。専門は、化学工学や生物化学工学、医用化学工学。界面化学を利用したカプセル開発研究なども行っている。趣味は、ソフトボールやジョギング。

学生(受験生)へのメッセージ

環境化学プロセス工学科で学ぶ「化学工学」は、工業的に製品を生産する際に、経済性と環境保全性の面から最も適した生産工程を選定するための学問です。したがって、工業製品を生産する際には必ず必要になる学問です。また、本学問の適用範囲は広く、食品や医療、バイオ分野でも重要となっています。ぜひ、化学工学を学び、一緒に医用化学工学の研究に取り組んでみませんか?

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