機械工学プログラム

教授

松﨑 健一郎

振動を抑制して、機械をより安全に、より快適に

自動車用ATの振動現象と防止対策

 自動車用トランスミッションとは、エンジンで発生した動力を自動車の速度や道路状況に応じて適切に減速し、車輪に伝達するための装置です。トランスミッションの主な種類としてマニュアルトランスミッション(MT)とオートマチックトランスミッション(AT)がありますが、日本で販売される自動車のほとんどが現在ではATとなっています。ATとは自動で減速比をコントロールするトランスミッションであり、代表的なATはトルクコンバータと遊星ギヤを用いた歯車列から構成されます。トルクコンバータはエンジンからの動力を歯車列に伝達する役割を、歯車列は変速の役割を持ちます。今の自動車には乗り心地と燃費性能の向上が強く求められていて、ATの構造や変速の制御はより複雑になっています。それに伴って、ATの振動特性はより複雑になり、様々な振動問題が発生しています。私たちの研究室では、ATに発生する振動現象の発生メカニズム解明や抜本的な防止・低減対策について検討を行っています。

トルクコンバータ(分解写真)

時間遅れによる自励振動現象と防止対策

加工穴に形成されたスパイラルマーク

 自動車のタイヤや製鉄機械のロールなど、何かに接触しながら回転する円筒形状の表面が、偏摩耗などによって多角形状に変形することがあります。また、穴あけや切削などの機械加工において、加工穴がきれいな円形にならずに多角形状になったり、工作物の表面に「びびりマーク」と呼ばれる縞模様が発生したりすることがあります。これらの現象は、円筒や工作物の表面に残された振動の履歴が時間をおいて系に影響を及ぼすことによって引き起こされる振動現象であり、ちょっと難しい言葉ですが、「時間遅れによる自励振動現象」と呼ばれ、問題となっています。私たちの研究室では、これらの現象の発生メカニズムを明らかにし、それに基づいた抜本的な防止対策を検討しています。

Profile

機械工学プログラム

教授

松﨑 健一郎

九州大学工学研究科機械工学専攻博士課程修了。博士(工学)。九州大学講師、九州大学助教授、九州大学准教授を経て、2012年10月より鹿児島大学教授。主な論文に「Theoretical and experimental study on rifling mark generating phenomena in BTA deep hole drilling process (generating mechanism and countermeasure), International Journal of Machine Tools and Manufacture, Elsevier, Vol.88, 2015年1月」など。

学生(受験生)へのメッセージ

 機械工学では「ものづくり」を支える広い分野を学びます。ものを作ったり動かしたりすることに興味がある人は、ぜひ機械工学について調べてみてください。機械工学では様々な分野を学びますから、きっとみなさんが興味を持てる分野が見つかると思います。私が機械力学という分野の研究を始めたのは、大学での卒業研究からです。振動を抑制することを主な目的とする機械力学の分野はちょっと地味ですが、機械を動かす上で必ず必要とされる分野であり、物事を根本的に捉えようとするところが魅力的だと思っています。

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