電気電子工学専攻

助教

真中 浩貴

透明な結晶を用いた新しいデバイス開発

透明な結晶を透過してきた光の観察

光は波のように伝搬する性質を持っており、その波の偏り度合いを表す“偏光”を制御する技術は、液晶ディスプレイの表示機能やインターネットで使われている光通信の情報伝達機能として応用されています。“偏光”という言葉は難しく感じるかもしれませんが、古くから人間は宝石とガラス玉を見分ける方法として、光をかざして観察するという方法を採ってきました。これはまさしく、物体を光にかざした時に透過した光の“偏光”の状態が、宝石とガラス玉では異なる現象を利用しています。このように物体を透過した光を詳しく調べることで、その物体を傷つけることなく中の状態が分かります。私の研究室ではこの原理を応用して、可視光線を物質に当て、透過してきた光をCCDイメージセンサ(*1)で撮影することで、その物質内部の力学的性質、熱的性質、電気的性質、磁気的性質などを明らかにする測定方法を開発しています。さらに温度や電界、磁界、応力を変えながら測定出来るシステムを構築することで、電子デバイス用の材料研究だけでなく、化学や生物に関連する様々な材料研究に役立つと期待しています。

透過してきた光のイメージング像

透明な磁石の開発

透明な磁石

我々の周りには、磁石の特性を利用したデバイスがたくさんあります。例えば電気自動車のモーターに使うような磁石には強い磁力が必要ですが、一方、パソコンに接続するハードディスクの記録素子として使う磁石には、磁力の大きさよりも、その物質を構成している元素自身の物理的な特性が重要となっています。そのためこのような材料開発の研究には、その材料の特性を理解してデバイスへ応用するための物理の知識だけでなく、無限にある元素の組み合わせから目的にあった材料を合成する化学の知識も必要となります。
私の研究室ではデバイスへの応用を目指して、今までに発見されていない新しい機能をもつ磁石をたくさん開発しています。その一例として、透明な磁石の合成に成功しました。我々の身の回りにある磁石は黒色ばかりですが、もし透明で強力な磁石が完成すれば、病院にあるMRI装置(*2)をスケルトン(透明)にする事ができ、閉所恐怖症の人でも安心して検査を受けることができるようになります。

*1 デジタルカメラやビデオカメラなどで広く使用されている半導体素子の名称。
*2 強い磁石の中で体の断面を観察する装置。

Profile

電気電子工学専攻

助教

真中 浩貴

1973年生まれ。千葉大学理学部卒業、千葉大学大学院自然科学研究科修了、博士(理学)。高エネルギー加速器研究機構機関研究員を経て2002年より現職。専門は物性物理学、材料光学、担当授業は電気磁気学、電気電子工学実験など。

学生(受験生)へのメッセージ

大学受験が勉強の終着点ではありません。自分が成長するため、また社会へ貢献するためには、大学でも、会社でも継続的な勉強が必要不可欠です。だからこそ、もし自分の好きな勉強に出会えたならば、その後の人生は楽しいことばかりでしょう。大学に入れば自由に使える時間が増えますので、ぜひ自分の興味のアンテナを高く、広く張って、好きな勉強に出会う努力をしてみてください。きっと良い道が拓けるはずです。

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