理工学研究科
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総合理工学専攻

 総合理工学専攻は、社会構造の変化、グローバル化の進展などに伴い、求められる能力の変化に対応できる教育研究体制とするため、従来の専門分野による区分ではなく、養成する人材像に対応した2つの教育コースを設置しています。

 1つは総合的な知識と倫理的判断力を持ち、理工系の幅広い分野で活躍できる研究者を養成することを目指した基盤研究コースであり、旧専攻の専門分野(物質生産科学、システム情報科学、生命環境科学)の教育課程を継承しつつ、大学院医歯学総合研究科、連合農学研究科と連携して教育研究を行います。

 もう1つは、自然科学の確かな知識と問題解決能力を身に付け、柔軟な発想力と広い視野を持ち、各専門分野に関連する産業においてイノベーションの創出に貢献できる研究開発技術者(高度専門職業人)の養成を目指した先端科学技術コースであり、理工学研究科が研究活動で強み・特色を持つ、環境・エネルギー、医療・福祉工学、地域創生・安全工学、先進物質材料、天文宇宙科学の各分野で構成し、これらの分野のさらなる発展も目指します

教育目標

 理工学研究科の理念は、「真理を愛し、高い倫理観を備え、自ら困難に挑戦する人格を育成し、時代の要請に対応できる教育研究の体系と枠組みを創成することによって、地域ならびに国際社会の進展に寄与する」です。この理念を受けて、「理工学に関する基礎から応用にわたる学術の真理と理論を教授研究し、その深奥を極めて文化の進展に寄与する人材の育成」を目的とし、そのため、「今日の諸課題に対応できる倫理的判断力及び人間生活を取り巻く自然についての総合的な知識をもち、自然科学に関する学問の高度化と多様化に幅広く柔軟に対応できる、次世代を担う技術者、研究者、さらには高度専門職業人を養成する」ことを目標としています。

研究目標

理工学研究科の理念に基づき、「理工学に関する学問の高度化と多様化に幅広く柔軟に対応できる次世代を担う研究並びに人間生活を取り巻く自然について総合的な知識を増進し、今日の諸課題に対応できる倫理的判断基準を涵養するための研究の実践」を研究目的としています。

広範な自然科学を支える新技術を創成でき、国際的視野を持った技術者の養成機関として、広い視野と問題解決能力を培う教育研究を推進し、科学技術の発展に寄与する研究活動に取り組むという研究科の方向性であり、次のような観点に立脚した研究活動の実践を、理工学研究科における研究目標としています。

アドミッションポリシー(入学者受入方針)

○博士前期課程

 1.求める人材像

 

  • ア)理工学研究科の理念に共感し、それを実現できる基礎学力と意欲を持ち、科学的で合理的な思考ができ、コミュニケーション能力のある人
  • イ)理工学分野の諸課題に強い関心を持ち、強い探求心を持ってさまざまな課題にチャレンジする努力を惜しまない人
  • ウ)理工学分野のさまざまな現象を解析するため、科学的かつ多面的な観察計画を立案し、それを論理的に解析する能力の研鑽を目指す人
  • エ)理工学研究科で獲得する専門知識を基礎に、多様な価値観や文化を大切にしつつ、高い倫理観を持って地域並びに国際社会に貢献することを志す人
  • オ)理工学関連分野で研究者や高度専門技術者を目指し、リーダーシップの発揮を追求する人

 

 2.入学前に身につけておいて欲しいこと

 

 理工学分野の高度な専門的知識・技術及び外国語(英語)の高い知識・能力が必要となります。

 

 3.入学者選抜の基本方針(一般選抜)

 

 口述試験を課すとともに、出身学校の成績、修士論文及び研究計画書等も踏まえ、教育目標に掲げる人材を育成する上で必要となる、志望する専門分野に関する高度な知識・能力、適性・意欲等を評価します。

 

養成する人材

  • ○今日の諸課題に対応できる倫理的判断力及び人間生活を取り巻く自然についての総合的な知識をもち、自然科学に関する学問の高度化と多様化に幅広く柔軟に対応できる、次世代を担う技術者、研究者、さらには高度専門職業人
  • ○総合的な知識と倫理的判断力を持ち、理工学の幅広い分野で活躍できる研究者
  • ○自然科学の確かな知識と問題解決能力を身に付け、またより柔軟な発想を生み出すために視野を持ち、各専門分野に関連する産業でのイノベーションの創出に貢献できる研究開発技術者(高度専門職業人)

 

【基盤研究コース】

 主な対象を社会人学生と研究者・教員を目指す留学生とし、理工系の幅広い分野で活躍できる研究者を養成することを目指し、理工学の専門化された特定の分野における研究能力を持つだけでなく、総合化•学際化が著しい領域の諸問題を機動的に解決できる研究者の育成を教育目標としています。

 

 ○学際分野

 鹿児島大学が医歯学総合研究科、連合農学研究科を有しているという特色を活かし、連携して既存の知識や考え方にとらわれることなく、複眼的な視点で革新的な方法により課題を解決できる、イノベーション人材を養成します。

 

 ○物質生産科学分野

 物質の創成から製造プロセスの構築、さらにエネルギーの合理的利用をベースに環境との共生を考える広範な基礎知識をバックグラウンドに持ち、複雑・多様化する産業活動と自然環境の変化に柔軟に対応できる総合的・基盤的な教育・研究を行います。

 

 ○システム情報科学分野

 個別技術のハイテク化と、これらを統合した技術のシステム化で特徴づけられる複数の研究領域に関連した基礎知識を持ち、その特定の分野において最先端の知識を習得し、幅広い領域で独創的で高度な研究を展開できる人材を養成します。

 

 ○生命環境科学分野

 生命の諸機能、生命と環境の共生的な関係、その生命を育んだ地球と宇宙(自然)の構造や変動についての広範な基礎知識をバックグラウンドに持ち、狭い専門領域に限ることなく様々な境界領域分野において最先端の知識を習得し、幅広い分野で自ら国際的に通用する研究を展開できる人材を養成します。

 

【先端科学技術コース】

 主な対象を企業への就職を目指す一般入学生(博士前期課程からの進学者)と留学生とし、グローバルに活躍する大きな企業の研究開発でのイノベーションの創出に貢献する人材や、地域の中小企業の研究開発のリーダーとなる人材の育成を目指しており、国際コミュニケーション海外研修、国内長期インターンシップ、講義(MOT関連科目)は選択必修科目としています。

 

 ○環境・エネルギー分野

 生態系や人間に係わるミクロな化学物質環境からヒューマンスケールの建築・集落、メソスケールの海洋環境までを対象として、環境やエネルギーに関する複合領域の最先端の知識を習得し、グローバルな視点から社会のニーズを把握し、サスティナブルな社会を実現するために独創的な技術を提案できる人材を養成します。

 

 ○医療・福祉工学分野

 社会が直面している少子、高齢化の中で、今後益々複雑・多様化する医療と福祉に貢献出来る能力を持ち、人の認知や生体システムも理解し、高い倫理観を持って医工学分野及び福祉工学分野に柔軟に対応できる人材を養成します。

 

 ○地域創生・安全工学分野

 人が安心・安全で活動しやすい生活空間の創造,自然環境の持続可能な維持・保全ならびにその脅威への対応を教育・研究の対象とします。また、その対象の基本単位を「地域」とすることで、複雑・多様化する産業活動や自然環境の変化に対してより具体的かつ柔軟なテーマを創造でき、その中でスキルを磨くことで、基盤的かつ総合的な・教育・研究能力を養います。

 

 ○先進物質材料分野

 先進物質材料の基礎物性・機能性評価、構造・組織制御、製造プロセス、ナノ構造制御、機能性計測・解析、機能・特性を発現させるメカニズム、機能・特性の変化を予測するシミュレーション技術、再資源化など、先端的な基礎科学の知識を習得し、その先にあるものづくりにイノベーションをもたらすことのできる人材を養成します。

 ○天文宇宙分野

 天文学や宇宙科学・地球科学あるいは宇宙工学についての広範な基礎知識をバックグラウンドに持ち、天体や宇宙・地球観測を目的とした機器やデータ処理システムの開発およびこれらの機器を用いた観測を実践的に行うことで、機器開発からその応用まで学際的な領域で独創的かつ高度な研究開発を展開できる人材を養成します。